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(2021年4月発行)会報『季節の風(ときのかぜ)』/019/春号

2021年4月発行/019/春号
◇明石から ◇できごと ◇これから(講師、講演会予定など) ◇スタッフのつぶやき ほか
 
この国の春、桜咲く季節を迎えます。
 
『春が来れば花が咲き、虫が集うー当たり前?でもどうやって彼らは春を知るのでしょう?鳥も植物も虫も、生き物たちは皆それぞれの方法で三寒四温を積算し、季節を計っています。そして植物は毎年ほぼ同じ高さに花をつけ、虫は時期と合わせて目を覚まし、それを見つけます。自然界の不思議には驚くばかりです。』動物行動学者・日高敏隆さんの「春の数えかた・新潮文庫」の帯文です。
 
三月出版を目指して「親をおりる」を書き上げ、初めての本づくりをしてきました。表紙の絵は連れ合いの則子さんの手によるものです。特に表紙は、河と桜。不登校やひきこもることになっている人たちにとって、この「桜の季節」は特別な時で、どんより重く、また置き去りにされて、「世間のイケイケ」をいやでも感じさせられる時期です。
 
「桜を見ることができない」と話してくれたひきこもる青年が居ました。次に進まなくてはならない季節、世の中の人々が次の段階に変化していく、前向きに登っていく「変わり目の季節」と捉えられている。

私たちも当たり前に「卒業」や「入学・入社」などなど、新しい環境に移行して「成長」を求める(られる)浮き足立つ季節であるという認識をもっている。そのことのプレッシャーがジトっと「いま」を続ける以外にない人々には大きくのしかかっていることは振り返られない。
その象徴が「桜」だ。春を告げ「新年度」を知らせる。
 
桜はこの国の象徴としても使われてきた樹であり、花でもあります。この国の先輩たちが勝手に作ってきたイメージです。
「貴様と俺とは同期の桜、みごと散りましょ、国のため」と唄われてしまった。
しかし、日本の「お花見」という行事は、広く世界に知られ、とても不思議に取り上げられたり、ほほえましい行事として取り上げられたりしています。
「お花見」は「桜」です。国策で全国に植えられた「ソメイヨシノ」の持つ歴史を知っておく必要がありそうです。
 
そうはいっても「桜はいい」です。桜もお花見も大切にしたいです。ハラハラと美しく風に舞う花びらを、「国家のために生命を捧げる」ということに結びつけた時代。何と悲しい時代だったのか。
そんなことが二度とあってはならないのだが、馬鹿な、全く無体な「戦争」に向かっていった政治の不在、愚かさが、現在また無態な政治家や政党やその周囲の人々にとっての「利益」だけに偏った「正当性」のうえに進められていると感じ、不快と危機感がつのる。
 
 馬鹿な、負けることのわかっていた戦争に突入していった。再び繰り返すことになりはしないか、あの頃から政治は何も変わっていないと、「政治の腐敗と無能」を強く危惧する。
 
 馬鹿なことをしている、馬鹿なことしかできないという認識が持てない。それでいて「国民の命と暮らしを守る」と平気で言ってしまえる政治。
 
 生態系に生きる虫や、花たちから、自然の在り様から学ぶことを忘れている。
 
 私たちの住んでいる、つくっている「国家」は危うい。
 
2021.4 明石紀久男
 

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