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(2020年8月発行)会報『季節の風(ときのかぜ)』/016/夏号

2020年8月発行/016/夏号
◇明石から ◇できごと ◇これから(講師、講演会予定など) ◇スタッフのつぶやき ほか
通信016(夏)-01...
通信016(夏)-02...
 
激しい音をたてて雨が降り続いている。
かと思うと、ふっと雨があがる。
水たまりに電線の水滴が落ちて、まるで溜息をついているかのようだ。
なんて、ボンヤリしていたら、またザーッとたたきつけて来る。
 
 これまで経験してきた様相とかわって来た。これは雨降りに限らない。
 長い時間をかけて、ほんの少しずつだが確実に変化してきているし、
 これからもかわりつづけることになるだろう。
 
今迄になかった形の水害が、九州を中心とは言えあちらこちらに大きな被害をうんでいる。
雨の降り方が違うし、水の増え方が違う。
倒木・流木によって「ダム」がつくられてしまい、一気にその「ダム」が決壊する。
地震もつづいていて不安である。
山に入って間伐ができていれば随分違うのかな、と思ったりします。
どこか、人災な気がしてしまう。
お金の使い方が間違ってしまってやしないか。
 
家が泥だらけになって、そこからの回復にどれだけの労力と時間とお金と、
そして何より、そこに住む・暮らす人の精神的負担が考えられているのかと感じてしまいます。
 
地球が、気候が、どうかしてしまった!ということではなく、
人類が、わたし達ひとり一人の暮らしぶり、
生き方の選択がそれぞれの存在に攻撃を加えることになってしまっている。

新型コロナウィルスの登場は、まさにこのことを象徴的に表している。
「三密」を回避せよ!との号令がかかる。
 
・密集
人口が都市に集中し、満員電車の乗車率200%にも驚かなくなっていた。
高校時代には早朝のJRの駅で乗客の押し込みのアルバイトをした経験がある。
 
・密閉
日本的家屋は隙間風が吹き抜け、暖・冷房の効率が著しく悪く、サッシによる密封がすすめられた。
中学生だった夏休み、本格的なアルバイトの初めての体験は、
近くにあったアルミサッシ工場での「枠の熱さまし」の工程であった。
汗だくなんてものではなく、大きな皮手袋を両手にはめて、
水につけたサッシの枠が煙を吹きながら吊り上げられたものを移動させる作業だった。
同級生の熊倉君が毎朝、迎えに来た。
 
さてさて、ホップステップ・・・ジャンプの感じ。
 
・密着、です。
関係の在り方と心理的発達に関する「アタッチメント」という
重要な心理行動傾向と神経生理学的制御機序というのがあります。
これは人が危機(危険)を感じ不安や恐れの感情にみまわれたとき、
特定他者への近接(くっつき)を通じて安心感を得、安全を回復・維持しようとすること。
と説明されています。わかりやすくいえば「触れ合う」ことですよね。

雷が鳴ると蚊帳の中に逃げ込み母の布団の中にもぐり込んだことを思い出します。
 
「養育者から、友人、恋人、そして配偶者などへと対象をかえつつも、
その対象との間に安定したアタッチメント関係を取り結ぶことで、
心身の健康や心理的社会適応など高度に維持しうる。」と説明されており、
さらに、
「そうした対象の喪失は時に人の心身の健康を大きく揺るがしかねないことを明らかにしてきている。」と。
 
「密着」は決してはずせないと説明されていますが、わたし達の社会(共同)が失いつづけて来たものは、
実はこの身体と気持ちの「アタッチメント」(くっつき)だったのではないか、と
日々の相談の中で強く感じています。
 
いまこそ、本格的な、そして本質的な「密着」身体と気持ちの「避難所」「安心の基地」について考え、
行動するときなのではないかと思います。
 
2020.8 明石紀久男

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